歌うと「喉が詰まる」本当の理由を知っていますか?

『舌骨発声ボイストレーニング』に、興味を持っていただき、ありがとうございます!
ボイストレーナーになって20年になります、浅井のぞみと申します。

みなさんは、「歌っているうちに、段々喉が詰まってくる」と言う悩みはありませんか?

発声練習では、高い音でも楽に声を出せるようになった。
でも、歌になると、正しい発声が分からなくなってしまう。

どうしてそうなってしまうかというと、歌になると舌が激しく動くからです。

私自身も、高校生くらいから「歌っていると声が出なくなってくる。舌はどう動かしたらいいんだろう」という悩みを抱えていました。
20年間で7名のボイストレーナーのレッスンを受け、「舌はどうしたらいいんですか?」と質問したりしました。
しかし、具体的な解決方法については指導されたことはほとんどなく、「もっと顎の力を抜いて」とか、「もっと上に響かせて」などのアドバイスばかり。

この問題は、自分がボイストレーナーとして、生徒さんにレッスンをする場合にも当然ひっかかることで、「歌詞になると段々喉が苦しくなる」という方の悩みを、解決してあげることができませんでした。

舌と声との問題をどうしても解決したいと、人間の身体の構造を探るために、歯科や言語聴覚や音声学の資料を読み漁りました。

「高い声を出しても、苦しくならない舌の動かし方」、なおかつ「歌詞がきれいに発音できる舌の位置」になるにはどうしたらいいか?
そして、やっと「声が出しやすい舌の動かし方」を、ついに発見しました。
そこから生まれたのが、舌のトレーニングと舌骨のコントロールを柱とした、舌骨発声ボイストレーニングです。

舌骨発声ボイストレーニングの理論とは

喉が開く=舌骨を下げる

喉が開いたという感覚は、どうやったら感じることができると思いますか?
・口を大きく開ける
・舌を下げる
・声帯を開く

上の答えは全てNOです。

喉が開いたという感覚喉の喉頭蓋という部分が上に持ち上がることで感じられます。
喉頭蓋は、気道と食道を分け、食べ物を飲み込んだ時に、食べ物が気道に入るのを防ぐために閉じられる蓋のことです。

舌骨が上がると喉頭蓋が下がり、ゴックンと食べ物が食道へ送り込まれます。

反対に、声を出す時には舌骨が下がり、喉頭蓋が上に開いて空気が排出されます。

喉頭蓋は、手で触れることも見ることもできないので、開いているかを直接確認することはできません。
一方、舌骨は、実際に触ることができ、舌骨の上がり下がりを手で確認することができます。

声を出すときに舌骨を手で触ると、喉が開くことができているか、簡単にわかるようになります。

ちゃんと喉が開いているかが自分でわかることは、歌を歌う上で大変なメリットです!

また、下記のイラストを見てください。
舌の下に舌骨、その下には喉仏が繋がっています。舌が動くと、舌骨と喉仏が動きます。


ですから、歌詞を発音するときに、舌の位置が悪いと舌骨が上がって喉が詰まってしまいます。
舌骨の位置を安定させるためには、舌の正しいフォームを覚えることも不可欠です。

喉を触って、自分の声をコントロールする

発声練習をするときには、喉の筋肉を自分の手で触ってもらいながら、声を出していきます。
喉の開き方と合わせて、力みの原因となる筋肉を緩めることも覚えてきます。

「喉のこの筋肉が硬くならないようにしましょう」
という風に具体的に指示をしていきますので、喉の力の抜き方も簡単に覚えられます。

パワフルな力強い声を出す場合でも、必要な筋肉しか使わないので、声を出すことが気持ちよく感じられるようになります。

舌骨発声ボイストレーニングのメリット

マイクなしでも響く声になる

小さくても響く声、マイクなしでも響く声になるには、歌声フォルマント(シンガーズフォルマント)という2000㎐から3000㎐の倍音の辺りを強めることだと言われています。
その声が作られるのは、咽頭共鳴腔という部分です。

舌骨を前下方に移動させることで、咽頭共鳴腔が広がるので、声量・響きも大きくなります。

音程が安定する

音程がブレやすい人のほとんどは、歌う時に舌のコントロールが上手くできていません。
舌先だけで歌詞を発音できるようにすることで、音程も合うようになります。 

地声発声(ベルティングボイス)でも大丈夫

舌が沈み込んでいると、地声で高音を出そうとした時に声がひっくり返ったり、喉が詰まったりします。  
舌や舌骨の位置が安定させられると、喉を開き続けることができ、地声のまま高い声が出すことができます。

グルーブ感、キレが生まれる

 子音時の舌の動作によって、発音のキレが生まれるので、グルーヴ感のある歌い方になります。

洋楽の発音が良くなる

ネイティブの方は、舌を日本語より高い位置で話しています。  
パワフルなよく響く声になるためには、舌骨のコントロールが不可欠です。

誤嚥防止になる

食べ物や飲み物が気道に入ってしまって、むせることを誤嚥と言います。  
誤嚥性肺炎は命にもかかわることで、舌の筋力低下が原因です。舌のトレーニングで誤嚥を防ぎましょう。

発声障害の改善

声が枯れやすい方、声が震えるといった方は、舌の筋肉が硬直してします。 
舌を緩めるマッサージを行い、舌の脱力方法を覚えていくと、このような症状も改善しやすくなります。

あなたの声が最も輝く、いい響き方を見つけるために

自分の声に自信が持てないのは、心理的な問題が隠れている場合もあります。

声を出そうとすると緊張してしまう。
自分の声が好きになれない。
そんなあなたでも大丈夫です。

歌に関することなら、どんなことでもご相談ください。

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