アンヴォ―カル・ピアノスクールの浅井です。
今回は、今までのレッスンで指導した生徒さんの実例を交えながら、歌が歌えるようになるまでのステップをお話していきたいと思います。
ボイトレを習うのが初めての40代女性のお話です。
最初にお会いした時の声の印象は、こんな感じでした。
- 声が細い
- 声がかすれ気味(息が入っている)
- とても小さい声
- 低い声も高い声も出ない
「歌ったり、しばらくしゃべっていると、喉が痛くなるので困っている」とおっしゃっていました。
この方は、1年くらいで声量もしっかり出せるようになって高い声も出せるようになりました。
普段あまり声を出すことがないお仕事をされている方、おとなしいタイプの方は、このような声の方が多いかなと思います。
同じような悩みを持っている方の、解決の参考になれば幸いです。
①声帯の閉鎖の発声
声がかすれてしまう方、息が漏れている方には、必須の練習です。
まずは、声帯を閉鎖するという感覚をつかみましょう。
息をハーっと吐いて、口を開けたままパッ息を止める。
その時に喉で何かが閉まった感じがしたら、それが「声帯を閉鎖した」という感覚です。
何回か繰り返した後、エッエッで(ドーミーソーミードー)発声練習をします。
息を吐かずに、短く切って出します。
②舌骨を下げる地声の発声
喉仏の上にある舌骨を確認しましょう。
舌骨は、上のイラストのように、Uのような形をしていて、喉仏の上にあります。
舌骨を下げながら声を出せるようになると、喉が詰まりにくくなります。
舌骨を触りながら、オーの口で息を吸います。
その時にびっくりした時のように、軽く声が出るようにしてください。
そうすると、舌骨が前下方向へ動きます。
オーで低めの音程で(ドーソード)で発声練習をします。
音程が高くなる時に、舌骨が上に行かないように気をつけましょう。
人によっては、下顎から1センチほど下の位置にある方もいますし、舌骨が喉仏よりも後ろへ引っ込んでしまっている方もいます。
舌骨位置が低めで、舌骨と喉仏が縦に真っすぐ並んでいる方は、高音が出しやすいです。
③舌骨を下げる裏声の発声
続いては、裏声の練習をします。
②と同じように、息を吸う時に舌骨を下げます。
1オクターブで、オの母音(ドードード)で発声してもらいました。
ラーラーラの高さに来たところで、自然に裏声が出てきました。
高音の時に、舌骨が上がってしまうと、自然に裏声になりきれずに、地声の詰まった声になってしまいます。
低音も高音も、舌骨の位置が動かないように声を出していきましょう。
④舌を後ろへひっこめる練習
舌骨位置が高い方は、舌が前に出すぎてしまっている方も多いです。
そこで、Mさんにもネネネネネ(ドーミーソーミード)の発声練習で、舌先は前歯より後ろで発音してもらいます。
高い声は、かわいいアニメ声になるようにすると、出しやすくなります。
④腹筋を入れて声を出す練習
声帯の閉鎖、舌骨を下げる練習が少しできるようになってきました。
続いて、腹筋を入れる練習を練習も入れていきます。
声を出すときに、お腹の横を外に張るようにして、発声します。
同じ音で、ホッホッホッと、高い声で3回ずつ。
ポイントは、息の速度を速くすることです。
⑤歌の練習【ハナミズキ】
Aメロの低音は、とにかく舌骨を上げないで歌うことが目標です。
サビの高い声は、最初のうちは裏声でOKです。
「かわいい君のね」の「きみー」で舌を後ろにひっこめながら発音すると、喉が詰まりにくいです。
曲に慣れてきたら、Aメロ・Bメロのしゃくりも入れていきます。
各フレーズの最初の子音をはっきり言うようにすると、メリハリが出ます。
Mさんのように、声が細くて小さい方、舌骨が上がり気味の方は、声帯閉鎖と舌骨を下げる練習を重点的に行います。
声のタイプは人ぞれぞれなので、その生徒さんによって順番や内容は変わってきます。
実際にレッスンを受けてみたいと思った方は、まずは体験レッスンにお越しください。