アンヴォ―カルピアノスクールの浅井です。
実際際の生徒さんの実例、第2弾です。
男性で話し声が低い、声が太いという方は、声帯が分厚いのです。
ギターでは、低い音よりも高い音の方が弦を引っ張る力が必要ですね。
声帯が分厚いと、声帯を伸ばすのも薄い方よりも労力がかかりますし、難しいのです。
でも、私のような女性に比べると、喉仏も大きく、それを支える筋肉もそれだけ強いので鍛えがいがありますよ!
20代男性、Kさん。
レッスンを始めた当初は音域がミくらいまででしたが、ミックスボイスで高いド(HiC)、地声だとラ(A)まで出せるようになりました。
その他の特徴は、こんな感じでした。
・声が低い
・声が太い
・高い声になると声が割れるか、ひっくり返る
・音程が下がりやすい
この方がどんな風に練習したら、ミックスボイスが出るようになったのか、お話ししていきますね。
① 声帯を薄くして、閉鎖する練習
声が低い太い方が、高い声が出せるようになるには、『声帯を薄くしながら声を出す』というのがポイントになります。
その上で、声帯を閉鎖するという感覚をつかむ練習をしていきます。
息をハーっと吐いて、口を開けたままパッ息を止める。
その時に喉で何かが閉まった感じがしたら、それが「声帯を閉鎖した」という感覚です。
喉に余計な力が入らないように、息を止める時に、喉仏が動かないように注意しましょう。
エッエッで、3トーンの発声練習(ド・ミ・ソ・ミ・ド)をします。
小さく、短く切って出すように心がけましょう。
音程が高くなって、苦しくなってきたら、それ以上高い音に行かなくて大丈夫です。
※この練習を毎日~週に何回かやっていってもらえると、少しずつ音程を上げられるようになります。
高い声になっても、小さい声で出すように心がけていると、裏声が出せるようになってきます。
裏声が出せるようになったら、②の練習に進みます。
その他のやり方で、こちらの動画にも裏声を出しやすくする練習を説明しています。
② 声帯を薄くして、裏声を出す練習
声が低い太い方は、『声帯を薄く』というのがポイントになります。
裏声が出せる方の場合は、裏声の練習から始めます。
喉仏を触って、「え?」と何か人に聴き返すように声を出してみます。
音程を上げながら、裏声でへエ~↗と高い声まで出してみましょう。
ポイントは、息を沢山吐きながら声を出すことです。
「へーへ―へー」で、5度の発声練習(ドーソード)をします。
ちょっとかわいい声で出すと、段々声の重さが取れてきます。
③舌骨を下げる裏声の発声
①の練習で、裏声が出てきたら、舌骨を下げる練習をします。
まずは、喉仏の上にある舌骨を確認しましょう。
舌骨は、上のイラストのように、Uのような形をしていて、喉仏の上にあります。
舌骨を下げながら声を出せるようになると、喉が詰まりにくくなります。
舌骨を触りながら、オーの口で息を吸います。
その時にびっくりした時のように、軽く声が出るようにしてください。
そうすると、舌骨が前下方向へ動きます。
オーで低めの音程で5度の発声練習(ドーソード)をします。
音程が高くなる時に、舌骨が上に行かないように気をつけましょう。
高い音でも舌骨を下げる感覚が保てるようになると、強い裏声が出せるようになります。
※舌骨の位置について
人によっては、下顎から1センチほど下の位置にある方もいますし、舌骨が喉仏よりも後ろへ引っ込んでしまっている方もいます。
舌骨位置が低めで、舌骨と喉仏が縦に真っすぐ並んでいる方は、高音が出しやすいです。
②舌を上げて地声を出す
続いては、口を開けながらン―と言います。
そのまま、ほとんど舌を下げないようにしながら、ネネネネと言います。
何のために舌を上げるのかわかりますか?
下右側の画像の方が喉が開いてるのがわかりますよね。
声が低いタイプの方は、舌が下がっている方が多いので、上げるトレーニングを沢山していただくと、声も明るくなって出しやすくなると思います。
ケッケッケッで、5トーンの発声練習(ドレミファソファミレド)をします。
舌が下がってしまう方は、下の写真のように舌を持っていただくと、声の出しやすさの違いが感じられます。
④舌を上げる筋肉を強化する
ネネネネで、3トーンの発声練習(ドミソミド)をします。
茎突舌筋と言う、舌を上げる筋肉のトレーニングをしていきます。
舌を指で押し上げながら、頬も上げて声を出していきます。
舌を上げ続けるのは大変ですが、筋肉がついてくると高音が出せるようになってきます。
⑤地声→裏声→地声にスライドする練習
緩やかなカーブを描くように、リップロールで1オクターブ上に上がって、1オクターブ下に降ります。
低い音は地声、高い音は地声です。
声が変わる時に、ひっくり返らないように注意してくださいね。
舌骨が上がってしまうと、ひっくり返りやすくなりますので、なるべく上がらないように気をつけていきましょう。
その感覚のまま、アーで同じように地声→1オクターブ上(裏声)→地声に降りてきます。
Kさんは、下りの地声に変わる時に喉仏がドンと落ちてしまうので、下がらないように気をつけてもらいました。
これを何週間~何か月か、繰り返し練習していくと、段々と地声と裏声の間の声(ミックスボイス)が見えてきます。
声のタイプは人ぞれぞれなので、その生徒さんによって順番や内容は変わってきます。
自分の声のタイプを診断してほしい方は、お気軽にご相談ください。