「歌が上手くなる!」横隔膜呼吸のホントのやり方・仕組み

マイクを持っている女性 最速で声を変えたいなら、マッサージと舌骨発声ボイストレーニング

こんにちは、アンヴォ―カルスクールの浅井望です。

みなさんは、「いい声を出すために、横隔膜呼吸をしましょう」という話を聞いたことがあるかと思います。

私もボイストレーナーになって20年近く経ちますが、それまでに歌を習ったことがある生徒さんでは、『横隔膜呼吸について間違った認識』を持っている方が多いなと思いました。

 

  • 横隔膜の形(構造)のイメージが違う。
    →「平らな膜が肋骨付近にある」イメージ
  • 横隔膜を下げる方向の認識が違う。
    →「おへそから上の部分を膨らませると空気が入る」「お腹に空気が入る」と思っている。
  • 腹筋のどこに力を入れるべきか認識が違う。
    →「おへそから上(腹直筋)に力を入れる」と思っている。

なぜ間違っている認識が広まっているのかというと、ボイストレーニングという指導法は、口伝えで行われているからです。

口伝えで行われていると、伝言ゲームのように、人から人へ伝わっていくたびにちょっとずつ変わってしまいますね。

日本には、声の出る仕組みや教え方を教えてくれる教育機関はないに等しいので、何も勉強しないままボイストレーナーになることができてしまうのです。

フースラーメソッドという、喉の筋肉や声帯を鍛えるなどのメソッドがようやく広まったきていますが、それもまだ、ボイストレーナーの4割くらいの人にしか行き渡っていないように思います。

私自身も音楽大学の声楽科出身ですが、歌のレッスンを受ける以外、大学では指導法を教わる機会はありませんでした。

20年の間に、あっちこっちで入手した断片的な情報をつなぎ合わせて、医学や解剖学の資料を見て、生徒さんに試して実際の効果のあることだけを厳選して行っています。

日本のボイストレーニングの発展のためにも、正しい知識を広めていきたいと、惜しげもなく情報を公開しています。

横隔膜の仕組みとは?

日本で説明される横隔膜のイラストは、下記のようなものが多いですね。

”息を吸った時に、肺の底の部分にある横隔膜を下げることで、肺に空気がたくさん入る。”

それ自体は間違いではないですが、このイラスト見るだけだと、「お腹の前側(おへその下)も下がるものだ」と思いますね。

ところが、立体的なイラストでみるとちょっと違うのです。

”お腹の前側”(おへその上)は、ぽっかり空いているので、下がることはないですね。

そして、横隔膜上部は心臓とべったりとくっついているそうです。

続いて、下記のイラストを見てください。
横隔膜の筋膜を赤い線で表しています。

横隔膜から背骨を通って、斜め前の恥骨の上に伸びて、骨盤底筋までつながっています。

横隔膜が斜めについているため、息を吸った時に、肝臓が前に押し出されることで、おへその辺りが膨らみます。
息を吸った時にお腹が膨らむのは、あくまで結果論なのです。
「お腹を膨らませれば、空気がたくさん入る」という都市伝説(?)は、間違った認識です。

それよりも、背骨から前に向かってS字を描くように、下腹を回転させるようにする方が、人間の体の構造に合ったやり方です。

このように動くようになるのが理想ですが、いきなりは難しいので、手順を追ってやっていきましょう。

 

呼吸の前に、横隔膜の筋膜リリース

自分の思い通りに横隔膜を動かせるようになるには、筋膜を軟らかくする必要があります。

横隔膜自体は触れませんが、横隔神経に触れることで横隔膜が緩むそうです。

肋骨の下の部分を固めずに、手で押しながら息を吐きます。

腹直筋がガチガチに硬い方は、肋骨を横に広げながらやると、軟らかくなりやすいです。

Medicines | Free Full-Text | Osteopathic Manipulative Medicine: A Brief Review of the Hands-On Treatment Approaches and Their Therapeutic Uses

腰痛や反り腰のある方は、お腹も硬いと思うので、特にやってくださいね。

自分の手だと難しい場合は、ペットポトルでお腹を押すといいですよ。

 

息を吸うとき、まずは背中を膨らませる

お腹が軟らかくなったら、先ほどのS字のイメージで、背中が膨らむように息を吸う練習をしましょう。

息を吸う時に背中がしっかり膨らむようになると、肺に沢山の空気が入ります。

この時のお腹側は、息を吐くときに、おへその上を軟らかくしていくと、自然に凹みます。

息を吸う時には、へこんだ部分が勝手にふわーっと膨む感じくらいで大丈夫です。

お腹を無理に膨らませようとすると、身体のいらないところに力が入って、声が出しにくくなります。

 

声を出すときに、力を入れるべき腹筋とは?

「じゃあ、声を出すときに、腹筋を使わないってこと?」と、心配になった方、安心してください。

力を入れる部分は、お腹の横にある腹横筋、腹斜筋を使います。

息を吸ってから、一旦息を止めて、お腹の横と、足の付け根の上(下腹)に力を入れて、外に張るようにします。

それで、その力が抜けないように気をつけながら、息を吐きます。

声を出すときにも、同様に抜けないようにします。

そうすると、息を吐いても横隔膜が下がった状態を保てるので、声量アップ、パワフルな声が出せること間違いなしです!

おへそのより上(腹直筋)は力をいれないで、お腹の横と下腹部は力を入れるということになります。

「分離して動かすなんてびっくり!」ですね。

ちなみに、これは声楽だと多くの方がやっている動きになります。

POPSはマイクを使うので、声楽よりも吐く息の量が少なくなります。

なかなかすぐにできるようになるのは難しいのですが、これができるようになると、大きい声やパワフルな高音が出せるようになりますので、ぜひ皆さんも練習してみてください。


いかがでしたか?

ちょっと難しい話だったかもしれませんが、お腹を軟らかくすることから始めてみてください。

きっと今までよりも息がたくさん吸いやすくなると思います。

youtubeでも同じことを説明していますので、良かったらご覧ください。

実際にレッスンを受けてみたいと思った方は、まずは体験レッスンにお越しください。
ボイストレーニングしている女性が2人います。体験レッスン受付中

  1. 「喉の力が抜けない」のは「背中のせい」かも

  2. 「お腹から声を出す」ってどういうこと?

ボイストレーナー 浅井 のぞみ

ブログ

浅井のぞみのYoutube動画へリンクです。
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