ブログすっかりご無沙汰してしまいました!
アンヴォーカルスクールの浅井のぞみです。
「喉を使ってはいけない!」
歌を習ったことのある方なら、大抵こう言われたことがあるのではないでしょうか?
私も20年勉強してきた数々の声楽の先生方に、そう言われてきました。
「アンヴォ―カルスクールの喉の筋トレって何?喉使っちゃいけないって言われてきたんだけど、どういうこと?」
という疑問にお応えしたいと思います。
では、よく一般的にレッスンで使われる言い回しを考えてみましょう!
➀「喉から声を出すな。喉を使うな。お腹から出せ!」ってどういうこと?
喉って声帯のことですか?声帯を使わないで声を出すことはありえません(笑)
声の原音は声帯で作られます。お腹に声帯はないですよ。
私の解釈では、エッジが入った声=声帯の閉じがしっかり入った声=喉を使った声という意味だったのかなと解釈しています。
「喉を使うな」ではなく、「声帯の閉じを弱めなさい」という表現の方が分かりやすいですね。
②「喉を開いて!」ってどいういうこと?
「喉を開くって声帯を開くってことですよね?」とある生徒さんに言われて、「!?」ビックリしたことがあります!
声帯=声門は閉じないと声が出ません。
では、「開かないといけないのは、喉のどこなのか?」
私のレッスンの場合、人によって「喉ってどこ?」という感覚が違い、誤解が生じてしまうといけないので、図で説明しています。
「喉のここが開いた感じする?」と。
こちらの図で言うと、大きく言うと『喉頭口部』『喉頭咽頭部』の辺りです。
感覚的に言うと、「口で空気を吸ったときに冷たさを感じるところ」ですね。
あとは、口蓋垂というところでしょうか。
私は「のどちんこの上の軟らかい所」と言っています。
③「喉下げて!喉が上がってはいけない」ってどういうこと?
これも「喉のどこなんでしょうか?」
➀と同じ声帯だとしたら、自分の意思で声帯を下げることは不可能!
②と同じ口蓋垂だとしたら、「喉を開く」と上がるので矛盾しますね。
実は、これは、声を出す声帯の外側にある、甲状軟骨のことです!
いわゆる喉仏の骨のことです。(図でいうと水色のLaynxという部分です)
喉仏の内側に喉頭という部分が包まれているわけです。
ごっくんと飲み込むと、その骨が上下しますよね。
その骨の位置を調節しましょうということなんです。
また、もっと詳しく言うと、舌骨という骨もその上に存在します。(Hyoid boneという部分)
音が高音へと上がっていくにつれて、喉頭は自然と上がっていきます。
上がりすぎると、喉の声の通り道が狭くなり苦しくなりますね。
その時に、逆に舌骨を少し下げられると、喉頭の上がりすぎを防ぎ、安定した位置に保てます。
そして、甲状軟骨や舌骨自体が個別に動くのではなく、周りのいくつもの筋肉が動かしているのです。
そのための、喉の筋トレです!!
「喉を下げろ」と言われて下げるのに必死になるのがいいのではなく、「甲状軟骨が上がっていく時に、喉を下げる筋肉も使うという感覚」が大切なのです。
そもそも喉使わないで声出すってことは出来ませんし、喉って言っても人によって場所の解釈が違っていて、先生と生徒とで思っている箇所が違ったなんてこともあるんですよ。
「喉のどこを意識して声を出すか」ってことが非常に重要になります。
そうでないと、発声練習が全く意味のないものになってしまいますから。
なるべくわかりやすい言葉で書いたつもりですが、難しかったですかね?
もし、「もっと知りたい!」「よく分からないから教えて欲しい」ということがあれば、いつでも体験レッスンにいらしてください。
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