こんにちは。ボイストレーナーのNOZOMIです。
今回は、ボイトレをやってるのに
「歌いたい曲が全然歌えないよ~」
「高い声がいくらやっても出せないよ~」
というお悩みの方で、特に悩みが深刻な方へ向けて、何か変わるヒントになればと思います。
Youtubeを見たり、レッスンを受けたりしても、思うように声が出るようにならない、歌えるようにならないのはなぜなんでしょう?
実は、本当に大切なことが抜け落ちているかもしれません。
腹式呼吸の前にやることがあるかも
「いい声になるには、腹式呼吸ができなければならない」
「横隔膜を下げなくてはならない」
どなたでも、そんな風に聞いたことがあるかと思います。
改めて考えてみましょう。
吸った空気が入るのは肺ですよね。
肝心の肺を包んでいる、背中や肋骨全体が広がっていない方がとても多いです。
別のスクールでボイトレを習ったことがある生徒さんでも「背中に意識を持ったことはなかった」とほとんどの方が言っています。
「横隔膜を下げる」というのは、肺の底辺部分を広げることです。
それは、肋骨が広がった後にさらに深く吸おうとして、初めて動くものなんです。
まず、お腹を膨らませるとか、横隔膜を下げることよりも、肺にちゃんと空気を取り込むことを意識して下さい。
お腹にだけ意識を持っていても、深い呼吸にはなりずらいです。
また、横隔膜の前側は心臓につながっていて、前側を下げることは身体の構造的には無理なことだそうです。
深く吸えない、息が続かない方は、背中や肋骨、お腹の横を広げる意識を持って呼吸をしていただくと、沢山息が吸えるようになりますよ。
ミックスボイスがなかなか出せない!
最近のボイストレーニングの世界では、ミックスボイスを出せるようにするために、
私も10年前くらいに、フースラーメソッドの本を読んで、声を出すためにこんなに色んな筋肉がかかわっているんだと、初めて知りました。
「音大に行っていたのに、喉の筋肉なんて全然知らなかった!」と衝撃を受けたのを覚えています。
手順としては、軽い裏声や太い裏声、キンキンした地声、太い地声などを出し分けることを練習します。
そうやっていくうちに、地声を出す筋肉と裏声を出す筋肉を両立させることができるようになり、ミックスボイスが体得できます。
現に、私自身もフースラーメソッドの考え方をレッスンで取り入れて、ミックスボイスのレッスンをしています。
しかし、色々な声の出し分けをしようとしても、「そもそも裏声がわからない」「地声ですぐ喉が詰まる」などの問題を抱えていて、難しい方もいらっしゃいます。
そんな方は、まず声が出る身体になってないから、なかなか思うように出せないのかもしれません。
『顎』や『喉仏の位置の問題』がないか、一度考えてみましょう。
顎のコリはないですか?
口を開けた時に、
「下顎が奥に入ってしまう」
「顎がカクっと鳴る」
「頬骨あたりがジャリジャリする」
などある方は、顎の歪みや顎周りの筋肉の硬直がありそうです。
顎の歪みがあると、喉の筋肉が上手く動かないのです。
そして、裏声が出しづらくなります。
まずは、咬筋、顎二腹筋という顎の筋肉のコリを取るマッサージをしてみましょう。
私自身も顎関節症があり、顎の歪みがひどかった時には、全然声が出ませんでした。
正しい顎の位置や筋肉に柔軟性が生まれると、本当にびっくりするくらい声が出しやすくなります!
上の前歯に比べて、下あごが奥に引っ込んでいる方は、耳の下の痛いところをほぐしながら顎を少し前に出して発声練習をするといいですよ。
私のレッスンでも、マッサージのやり方や声が出しやすい口の開け方をレクチャーすることができますよ。
喉のコリはないですか?
喉仏の裏側に、咽頭収縮筋という筋肉があります。
この筋肉はストレスと関係していて、イライラしたり、精神的に疲れたりすると硬くなってしまうそうです。
この筋肉が硬くなると、喉仏が奥に埋まりこんで喉を詰まらせてしまいます。
声が上手く出ないという生徒さんのほとんどは、この筋肉のいずれかが硬いです。
中には喉仏自体はそんなに奥に埋まっていないけど、喉仏の下が凝って、ガチガチになっている方もいます。
喉仏やその下を手で押さえて、横にスライドさせてみてください。
オエっときそうとか、苦しい感じがしたらこの筋肉が硬い可能性が高いです。
残念ながら、その状態で練習しても、高音を出すことはかなり厳しいです。
喉をゆるめるマッサージをしながら、声を出す練習をしていきましょう。
曲になると、声の出し方が分からなくなるのは?
発声練習でミックスボイスが出せるようになっても、曲を歌った時にどう歌っていいかわからなくなることはありませんか?
そうなんです。
発声練習では高い声が出せても、
言葉を発音する時に、舌や顎が動くからです。
喉の筋肉は、顎や舌ともつながっていますから、喉の筋肉も自分の意志とは関係なく、勝手に動いてしまいます。
舌が硬く、力が入ってしまう方のも、喉が詰まる原因となります。
せっかく発声練習で高音が出せるようになっても、歌で出なければ元も子もないですよね。
それには、舌の硬さを取りマッサージをしたり、舌の筋力をつけて行くトレーニングをしていくことが大切です。
曲の練習をするときには、舌のコントロールに意識を持っていくことで、発声練習で出せた音の高さまで出せるようになります。
舌骨発声ボイストレーニングってどうなの?
私自身も舌骨発声ボイストレーニングという、舌骨のコントロールで喉を広げる感覚を掴むというメソッドを作っています。
しかし、顎や舌、喉周りの硬さや歪みがある方には、いきなり舌骨のことをレッスンしていません。
まずは、舌骨のコントロールができるようになる前に、「いらない力を抜くマッサージ」「いらない力を抜く感覚をつかむような発声練習」をします。
そして、身体の歪みやいらない力が抜けてきてから、少しずつ喉の筋肉のトレーニングになる発声練習や舌骨のトレーニングをしていきます。
「こういう声出して」と言われてもすぐにできないのは、生徒さんの努力不足とか元の声が悪いからというせいに、極力したくはないんですね。
単に発声練習を繰り返すだけでなく、その人の身体の状態を総合的に見ながら、声の出る身体を作っていくことも、ある意味舌骨発声ボイストレーニングの特徴の一つかもしれません。
声の悩みが深刻な方ほど、ぜひ受けに来て欲しいなと思っています。
もし、実際にレッスンを受けてみたいと思った方は、まずは体験レッスンにお越しください。
☞【セカンドオピニオン】レッスンの詳細はコチラ