ボイトレ業界初!?舌のポジショニング
ボイストレーナーの浅井のぞみです。
発声練習でいくらいい声が出るようになっても、実際の歌になったときに上手く歌えなければ意味がありませんよね。
曲になると、上手く歌えないという方は歌う時の舌のポジションが上手くコントロールできていないのです。
それでは早速、各母音ごとの舌の位置を練習していきましょう。
①「オ」の舌の位置
先ほどのように、ストローを吸う時の息の吸い方をして、この下の絵のように舌先を口の中の一番底の部分(口腔底)に来るようにします。
舌先は軽く浮いた状態で大丈夫です。
くれぐれも舌先が歯につかないこと。
舌の画像のように、舌を喉ちんこへくっつけるくらいのつもりで、舌の奥を上げるようにします。
ただし、注意があります!!
あごと舌骨の間にある、オトガイ舌骨筋や顎舌骨筋という筋肉を、固めないようにしてください。
声を出すときに、舌がUの字のように凹んでしまう方は、この筋肉が硬くなりやすいです。
舌は凹ませることなく、横へ広げるようにして言いましょう。
※「ウ」も同様に練習してみましょう。
②「オ」から「ア」に移行する
- ①の「オ」の舌の位置のまま、「ア」持っていく練習をします。
舌先は、少し浮かせるようにします。 - 舌骨も下がったままをキープし、同じ音で「オーアー」とつなげて言います。
- 「ア」の母音に変える時に、口を横に開いて、上唇を前歯が見えるくらい上げるのがポイント!
- 低音から始めて段々と音程を上げて練習していきます。
音程が高くなると「ア」に変える時に、舌骨も上がりやすいので注意してください。先ほどのオトガイ舌骨筋や顎舌骨筋を硬くしないようにすること、舌を凹まさないようにすることを気を付けてくださいね。
③舌を挙げて「ン」を言う
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- 「舌を上あごにピッタリつける感覚」を身につけていきます。
- 口を開けたまま、舌の奥まで上あごにつけて、「ン」を言います。
先ほどとおなじように、なるべく前歯が見えるように開けます。 - 上の前歯より後ろで、上あごの凹んでいるあたに舌先をつけてください。
- その状態で舌骨を触ってみてください。
平常時より、舌骨が下がっているのがわかりましたか?
「舌を上げたら喉が上がる」と言われたことのある方も、舌が上がっても、舌骨を下げることができる!
ということを実感していただけたら嬉しいです。 - 舌を上あごにつけて、「ン」を言いながら地声から裏声へ、一気に1オクターブ上がったり下がったりしてみましょう。
舌骨が下がっていれば、ひっくり返ることなく、声が高音までつながります。
軟口蓋(のどちんこ)のあたりに、声が響いている感じがしたらOKです!
※もし、舌がピッタリ上あごに付かない、舌先がわずかにつく程度という方は、「低位舌」の状態が考えられます。
→低位舌に関してはこちらのテレビで取り上げた情報をご覧ください。
「低位舌」の状態でしたら、そこを改善しないと舌のコントールは難しいかもしれません。
舌のマッサージをして、舌の裏側をほぐすところから始めましょう。
③「ン」から「イ」への移行
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- 「ン」の口を開けたハミングから「イ」へ、「ンーイー」とつなげて言います。
- 「イ」になった瞬間に、舌の位置は「ン」の上あごにピッタリつけた状態から、舌が2ミリくらいしか下がらないようにしてください!!
- それと同時に、イの時に舌を1センチほど『後ろに』移動させます。
「イ」は、舌が前に行きやすいので、舌を後ろに移動させるくらいでちょうどいいです。
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声の聴こえ方としては、「ン」の響きから比べると「イ」が詰まったような声、細くなったような声に聴こえた場合は、舌がまだ前すぎます。
舌の位置をもうちょっと後ろにして、声が細くならずに、よく響く舌の位置を探してみましょう。
④「イ」から「エ」への移行
「イ」ができたら、次は「エ」の練習です。
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- 舌が「イ」の位置より、なるべく下がらないように「イーエー」とつなげて言います。
- 頬骨を上げて、上の前歯が見えるようにしますが、唇は縦にしたいので『アヒル口』に。
- 下あごを動かさないで、頬骨と唇、舌の調節だけで言えるように何度も練習しましょう。
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まとめ
舌の位置の考え方について
いかがでしたでしょうか?
一般的なボイストレーニングの方法では、「舌を下げよう」という指導が多い中、私は逆のことを言っていましたね。
舌を下げると喉頭蓋から軟口蓋までの部分はよく響きますが、そこの響きを増大させると、クラシック的な響きの声になります。
私も声楽やっていた20年は、先生方に舌を下げるように言われていたのでそうやって歌っていました。
でも、ポップス、ロック、R&Bなど、地声の響きで歌うには、舌を下げることが障害になっていました。
何年もかけて試行錯誤した結果、舌を上げたほうが、地声感のある高い声が楽に出るようになりました。
これは音声学的に見て、声道の長さが短くなり、倍音が含まれやすく、マイク乗りのいい声になるからです。
周波数が高くなるので、科学的にみても聴きとりやすい声ということなります。
それでも、「舌を上げるのは違う」「舌は下げるものだ」と思う方がいるかもしれません。
もしあなたが、舌を下げながら歌っていても自分の思い通りの声が出せて歌えているなら、それが合っているのかもしれませんし、困っていないのならば、あえて変える必要もありませんよ(^^)
これまでは、歌の指導の世界で、舌の位置に関してはあんまりフォーカスされてこなかったので、色々な方が研究して、
「もっとみんなが効率よく歌が上手く歌える方法が見つけられればいいなあ・・・」
と、そんな思いを持っています。
なので、舌を上げることによるデメリットなんかを感じている方がいましたら、どんどん言ってきてください!
もっといい方法がないか、一緒に研究しましょう♪
舌と舌骨の関係性
また、先ほども言いましたが、舌を前にすることをおすすめしないのは、舌骨が上がるからです。
舌骨が上がると、身体の中で最もよく声が響く場所と呼ばれる、声帯と喉頭蓋の間(咽頭共鳴腔)が、狭くなってしまい、声の響きが悪くなります。
舌骨が上がると、喉の詰まりを感じたり、声のひっくり返りも起こしやすくなるので、下げるようにした方が得策です。
NOZOMI式ボイストレーニングを、生徒さんたちにもトレーニングしてもらうと、声がドンドン変わっていっています。
もちろん、舌の長さ、顎の形状などが人によって違います。
実際のレッスンでは、その生徒さんの身体に合わせるので、ここに書いてあることと、全く違うことを言う時もあります。
その人の歌い方の癖や口の動き、舌の動きを見ながら、「この言葉では舌をもっと上に」などと指示をして、その方に合った舌のポジションを覚えていただいています。
舌の位置が安定すると、軟口蓋が上がりやすくなる
クリアな声、高音で突き抜けるような軟口蓋が上がることが必要です。
ボイストレーナーにそう指導されたことがある方も、多いのではないでしょうか。
軟口蓋を上げようと思っても上がらない方の多くは、舌が下がってしまっているからです。
軟口蓋を上げる練習より、舌を下げない練習を先にしていただいた方が、ダンゼン効率が良いですよ!
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