アンヴォ―カルスクールのボイストレーナーの浅井のぞみです。
5月29日にスクールの年に一度の発表会が終了しまして、やっと落ち着きました。
発声に関するブログをまた書いていきたいと思います。
みなさんは、コロナの方の行動規制も緩和されて、そろそろカラオケ歌いたいなあ・・・と思うころですよね。
声を出さないようにしていた分、大きい声で思いっきり歌いですね!
ところが、久々のカラオケで張り切って歌ったのに・・・
「あれ?声が全然出ない!!」
「前に出た高音が出ない」
と、久しぶりのカラオケでショックを受けた方もいらっしゃるのではないのでしょうか?
「いや、そもそも声が出る気がしないから、カラオケに行くのが怖いんだけど」
と言う方もいらっしゃるかもしれませんね。
15年以上ボイストレーナーをやっている私でも、一週間まったく歌っていなくていきなり歌うと、声が出しにくいなと思いますから、コロナで約3年歌を歌っていなかったみなさんが上手く声が出ないのも当然です。
そんな久しぶりに歌を始めたいと思っていらっしゃる方に、
「これをやれば声が出しやすくなってくるよ!」
という内容をお送りしたいと思います。
あきらめずに、できることからやっていきましょう!
ちょっとずつでもできる練習をやっていくことで、気持ちよく声出るようになりますから、大丈夫です!
1.姿勢を直す
みなさんは、スマホやパソコンばかりみて姿勢が悪くなっていませんか?
よく言われる歌は身体が楽器なので、まずは楽器のメンテナンスが大事です。
3年間一回も乗らなかった車で、突然遠出しないですよね。
最初に大事なのは、点検と整備をしていくことです。
声が出るための身体の整備から始めましょう!
声は喉にある「声帯だけで出る」のではなく、首にあるたくさんの筋肉を駆使して、声の高さや音色を変えています。
首の筋肉が柔軟に動かせる状態を作っていくことが大切です。
それでは、下の写真の〇で囲ってある、首の付け根の骨を触ってみてください。
首を真っすぐにした状態でも、この骨がボコッと出ていませんか?
首の後ろの骨が出っ張ってしまっている人は、声がきっと出にくいです。
それと、下の写真のVの字になっている筋肉(胸鎖乳突筋)が浮き出て、喉仏がへこんだ状態になっていないでしょうか?
このような方は、喉全体が後ろに入り込んで、常に喉が詰まった状態になっています。
よく、いい声になるためには「お腹から声を出せ」とか、「共鳴」だとか言われますね。
お腹とか共鳴を意識する際には、首がまっすぐで、喉仏周りが柔らかくなっていること、喉仏が奥に入っていないことが前提条件になります。
お腹とか共鳴を意識するより前に、まず首のストレッチやマッサージをしましょう。
→喉仏が奥に引っ込んでしまっている方の対処法はこちら
そして、歌う時に「首の後ろの骨が出っ張らないような姿勢」を心がけることで、喉仏の位置や首の硬さも少しずつ緩み、声が出しやすくなっていきますよ。
2.喉を開くには?
喉を開くのは、下あごの骨と喉仏の間にある舌骨が「前の下方向」へ移動することで感じられます。
舌骨が前下方へ移動すると、下のイラストの咽頭共鳴腔というスペースが広くなります。
咽頭共鳴腔がスペースが開いたまま声が出せると、声が自然と太く大きい声になります。
良く響く声にするには、口の中でなく、喉の奥のほうでしっかり響きを感じられるようにすることが大切です。
「声が出ない!!」からといって、「前に前に!」と声を出そうとすると、かえって喉が詰まったり、息ばかり出たりしてしまう原因になります。
まずは、しっかり喉の奥を開いて、まずはそこで響かせる感覚をつかんでいきましょう。
喉を開く練習方法
①下顎と喉仏の間に、「舌骨」を見つけてください。
喉にある、でこぼこしたところの一番上にある、横長の細い骨です。
ちょうど私が触っているあたりに舌骨があります。
②ストローを吸うように息を吸います。
同時に舌は後ろの方へひっこめるようにします。
③舌骨が前に移動してきた感じがしませんか?
ちょうど触っているあたりが、前の下方向へ膨らんでくるかと思います。
※この時に下あごを下げずに舌骨だけ動かすように注意してください。
④そのまま大きい声でなくていいので、ホーと言ってみましょう。
息はできるだけ吐かずに、お腹に力を入れながら言ってください。
高い声にいくにつれて、舌骨が上がりたくなりますが、舌骨を下げたまま、もしくは前に膨らんだまま、声を出せるように練習していきましょう。
⑤次は同じ音で、オーからアーに変えてみましょう。
オーから変えるときに言い直さないで、一息で繋げて言います。
舌骨の位置が変わらずに、アが言えるように気をつけてください。
自分の出しやすい高さから始めて、段々高い声でもできるようにします。
【舌骨の位置がわからない方】
首周りにお肉がたくさんついている方や、舌骨が奥に入り込んでしまっている方は、舌骨が上手く見つけられないかもしれません。
そのような方は、首の前でなく、横の方を触ると見つけらる方が多いです。
【舌骨が全然動かない方】
先ほどの練習をやってみたけど、「全然舌骨が動かなかった」という方もいらっしゃるかと思います。
そのような方は、舌骨を下げる筋肉が鎖骨の上にありますので、ここを触りながらストローを吸うように息を吸う練習をして下さい。
そこに力を加える意識だけで、自分で実感はなくても、少しずつ舌骨は下げることができます。
繰り返しやっていくことで、段々と実感が持てるようになっていくので、ぜひ継続してやってみてくださいね。
3.表情筋を動かす
さて、次の課題は表情筋です。
長いマスク生活で、鼻から下の筋肉が下がって硬くなってしまっている方も多いですね。
高い声を出すには、口角を上げることが大切なんです。
下記写真の矢印のあたりの口の斜め横の下あたりに力を入れると、キュッと口角が上がりやすいですよ。
(私ももう40過ぎているので、こう見るとしわなんかも目立ってきて恥ずかしいですが…)
このように頬骨も上がり、上の前歯がしっかり見えた表情が作れるようにしましょう。
その口のまま、「イーエーア」と言えるように練習してみてください。
「ア」と言う時にも、下あごが下がらずにいえるようにするのがポイントです。
4.さいごに
いきなり歌の練習するのでもいいのですが、声が出るための身体の準備を整えてから練習するのが、効率よく声が出るようになるコツです。
カラオケに行く前でもいいし、カラオケに行った最初の10分間でもいいので、ぜひ試してみてくださいね!
実際にレッスンを受けてみたいと思った方は、まずは体験レッスンにお越しください。
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