こんにちは、ボイストレーナーのNOZOMIです。
みなさんは、ミックスボイスが出せるようになるための手順は、ご存知でしょうか?
とても大雑把な書き方になりますが、
裏声と地声を分離させる
↓
裏声の筋肉を鍛える
↓
地声の筋肉を鍛える
↓
それぞれを繋げていく発声をする。
声帯を薄く使うと、高音が出しやすくなる。
こんなところがよく言われていることですね。
ボイトレの経験者やYouTubeなどで研究してる方には、周知されていると思います。
しかし、裏声が出ない方には、
「裏声で声帯を閉鎖することができるように」と言われていますが、閉鎖しよう閉鎖しようとすればするほど、力が入って負のループにはまってしまうこともあるかもしれません。
合唱や声楽の発声に慣れていて、地声が出ない方は、声帯閉鎖を覚えるのに3か月くらいかかることもあります。
そして、そこからきれいに繋がったミックスボイスで歌えるようになるには
でも、そんなに時間かけたくないですし、出来るだけ早く出るようになりたいですよね。
そんなみなさんに、最短で出るようになる方法を発見したので教えちゃいます!
ミックスボイスのポイントは、裏声や声帯の閉鎖も大事なんですが、それと合わせて重要なのは母音の発音方法です。
私自身それを意識したら、ミックスボイスがすごく簡単に出るようになりましたし、生徒さんたちもどんどん高音が出るようになっているので、良かったら試してみてください。
発音を変えると、喉の力が抜ける!
発声練習をするときに、色々な母音に変えて練習しますよね。
その時に、みなさんは口をどのように開けているでしょうか?
「上手に歌えるようになるには、口を大きく開いて歌うことだ」と言われたこと、ないですか?
けれども、その理論はもはや都市伝説・・・いや、近年大きく変わっています。
音声科学の研究では、母音を変化させるのは、顎や唇ではなく、舌の形で変えていくものだということが証明されています。
こちら音声科学の第一人者である、上智大学の荒井教授が発明された声道模型です。
人口的に作られた声帯で音を出します。
その音が、筒の中を通る時に各母音に変化します。
筒は、母音によって太さや形が異なっています。
例えばアなら声帯付近は細くて、声の出口は太いという筒の形をしていて、音がそこを通るとアーになります。
この筒は人間で言うと、声道と言います。
イ、ウ、エ、オと、それぞれの母音になるための正しい舌のフォームがあります。
それは、その母音で一番声が響く、声が出しやすいフォームということです。
その舌の形で発音するようにしていくと、結果的に喉に力が入りづらくなります。
イは舌をしっかり上げて、口の中は狭く潰れた状態の方が鳴りやすいのですが、口を開けないとと思って、ウに近いイになってしまっていることがあります。
イのフォームになりきれてないのに、イをはっきり言おうとすると、喉にいらない力が入ってしまうのです。
こちらの画像が正しい舌の形です。MRI画像の下にあるのが声道模型のイラストです。
口の大きさと声の大きさは、イコールではない
私は昔、教わっていた先生に、「口の中をもっと広げて」と指導されていたので、それを信じて一生懸命舌を下げていました。
その先生が悪いというよりも、当時はボイストレーニングという言葉もなく、科学的な発声理論というものが存在していませんでした。
実際は、下記の画像のように舌が下がっていると喉が詰まります。
舌を下げると、声がこもり、音程が下がります。
舌骨と顎の間がガチガチに硬くなって、声がガラガラしたり、割れやすくなります。
声が大きくなるのは、声帯の閉鎖、呼気圧(空気を吐く勢い)と、声帯から喉頭蓋の広さ(舌の根元より下)で決まるので、口の中は関係ありません。
口の中の共鳴(口腔共鳴)は、発音を作るための空間です。
「口の中を広くすることを練習したけど、声がうまく出ない」という方は、今からでも間に合いますのでやめましょう。
そのような方は、舌が落ちている可能性が高いので、口の中を狭くしてみてください。
そして上の歯が見えるくらいに頬を上げて、下顎は動かさないようにして、アイウエオを発音をしましょう。
ついつい舌が下がってしまう方は、奥歯を軽く噛んだまま、声を出してみるのもいいですよ。
「でも、やっぱり口の中を狭くしたら喉が詰まった」という方は、声を出すときに喉仏が下がってしまっているか、舌に力が入っている可能性があります。
口の大きさとは別の問題かもしれません。
解決方法が知りたい方は、ぜひ体験レッスンへ!