こんにちは、アンヴォ―カルスクールの浅井のぞみです。
今回は久々に、みなさん憧れの「海外アーティストのような声を手に入れる方法」について、書いていこうと思います。
「誰でも海外アーティストのような声を出せるようになれるのか?なれないのか?」
必要な練習を諦めずに頑張れば、可能だと思います!!
どのくらいの期間で出るようになるのかについては、人によって元々のレベルやポテンシャル、練習頻度によっても違うので簡単には言えません。
でも一般的には、数か月~数年もかかることが普通だと思ってください(笑)
それをちょっとでも短くなるよう、練習の手順についてお話していきますね。
J-POPを歌う方にも、いつでも安定したミックスボイスを出せるようになるためには役立つ練習方法だと思いますので、是非参考にしてください。
海外アーティストはどうやって声を出してる?
他のボイストレーナーの見解と違う点があるかもしれませんが、あくまで私の考えですと大きく分けて3つの声を行ったり来たりしていると思います。
- 裏声ベースミックスボイス
- 地声ベースミックスボイス(ベルティングボイス)
- ラスピーボイス
裏声ベースか地声ベースかについては、どちらも裏声と地声の筋肉の両方を使っているけど、どちらが強めかということです。
黒人系のアーティストは、仮声帯を使いながら裏声ベースで出している人が多いように感じます。
実際に、私がレッスンを受けている黒人系アメリカ人の先生にも、裏声ベースで歌うように指導を受けています。
裏声ベースで、仮声帯を使いながら歌うことは、難易度はとても高いのですが、出せるようになると喉が枯れる感覚は全くないです。
声量も響きも上がって、高音でも楽に地声の響きが出せるので、洋楽を歌うみなさんには是非マスターしていただきたいです!
ラスピーボイスとは?
仮声帯を使った発声で、こぶし、デスボイス、ロックのシャウトとかガラガラ、ゴロゴロとしたノイズに入った声です。
仮声帯という、声帯の上の部分を狭めて、こすり合わせ雑音を作っています。
主に白人系アーティストのLady GagaやChristina Aguirera、Sia、P!nkなどがこの声で歌っているように思います。
完全にノイズが入らない程度でも、仮声帯を少し閉めながら声を出せるようになると、声帯の閉鎖を助けてくれるので、パワフルな強い声が出しやすくなり、黒人系のアーティストも曲の各所で取り入れています。
是非、習得したい発声方法ですよね。
続いては、どうやってそれができるようになるのかについて、お話ししていきますね。
海外アーティストのようなミックスボイスを出せるようにするための手順
フースラーメソッドをもとにした、解剖学的な視点でお話しします。
「裏声ベースのきれいなミックスボイス」を出したいという場合は?
Ⓑの「軽く響く裏声」
Ⓔの「小声で短く切って出す地声」
をそれぞれ出せるようにします。
それぞれ正しく出せるようになったら、地声⇔裏声と行ったり来たりする練習をし、声がひっくり返らずにつなげて出すように意識していきます。
地声と裏声の境目がなくなるよう、両方が混ざったような声が出るようになったら、ミックスボイスが出せている=裏声と地声の筋肉バランスが取れている状態です。
「地声ベースの軽い明るいミックスボイス」を出したいという場合は?
©の「キンキンした鋭い裏声」
Ⓕの「平べったい細い地声
をそれぞれ出せるようにし、行ったり来たりして、つなげる練習が必要だというがわかります。
右へ行くほど、声帯をぶ厚くしながら閉鎖も強くなりますので、喉への負担も大きくなり、難易度が高くなります。
一番右のベルティングボイスやラスピーボイスでは、仮声帯の助けも借りて、声帯の閉鎖をさらに強めてパワフルな声を作っていきます。
ミックスボイスが上手くできない原因は?
ミックスボイスが上手く出せない方は、歌のことでこんな悩みを抱えていると思います。
・声がひっくり返る。
・喉が詰まって苦しくなる。
・地声しか出せない。
・裏声しか出せない。
・喉が疲れやすい。
上手くいかない原因は、簡単に言うと「地声の筋肉と裏声の筋肉バランスが悪い」ためで、声帯の厚みが変わってしまうことが大きく影響しています。
大きい声を出そうとして喉が痛くなったり声が枯れるのは、どこかの筋肉に負担をかけすぎているのです。
ミックスボイスができている喉の筋肉
ミックスボイスが出せている時はどんな状態になるかというと、
・低音から高音まで、声がひっくり返らない。
・低音から高音まで、声の音色があまり変わらない。
・低音から高音まで、声の太さがあまり変わらない。
こんなふうに安定感のある歌い方ができるようになりたいですね。
ミックスボイスになっている時は、喉の筋肉のバランスが取れています。
裏声を4種類に出し分けられることがとても大事!
いきなり「軽く響く裏声」と言われてもどんな声なの?と思われたと思います。
ここからは、具体的なトレーニング方法についてお話していきましょう。
海外のアーティストは、高い音も太い豊かな響きの声を出しています。
その音色が地声に聴こえたとしても、裏声の筋肉で支えているからこそ、喉が苦しくならないのです!
まずは、裏声を自由に出せるようになるよう練習していきましょう。
声帯を薄い状態の裏声から練習し、「出来たら次、出来なければ何度も」という形でやってみてください。
苦手な出し方を重点的に練習し、慣れたら次へ、ひとつずつステップを踏んでいくようにしましょう。
☞【洋楽発声】ミックスボイスを出せるようになるには?②地声編の記事はこちら
Ⓐため息の小さい裏声
【トレーニングする筋肉】
輪状甲状筋(喉仏の真ん中辺り)
【声の出し方】
高めの声(女性は高いド、男性ラ)くらいで、ため息を小さく短く「ハァ」とします。
あえて、息混じりな声を出してください。
首の後ろと背中、胸をドスンと脱力しながら出してみてください。
【出しにくい方】
普段Ⓓまたは、③の声を良く出していませんか?
声帯を分厚く使いすぎているので、薄く使えるように練習しましょう。
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Ⓑ軽く響く裏声
【トレーニングする筋肉】
輪状甲状筋(喉仏の真ん中辺り)、口蓋咽頭筋
【声の出し方】
ストローを吸うように吸って、フーで吐きながら声を出します。
息と響きだけで声を出す感覚になります。
声量は、物足りないくらい小さくて大丈夫です。
【出しにくい方】
息を吐くスピードが遅すぎませんか?
背中やわき腹を外に張るようにしながら、フーッと声を出してみましょう。
🄫キンキンした鋭い裏声
【トレーニングする筋肉】
甲状舌骨筋(喉仏と舌骨の間)
【声の出し方】
子どもっぽいかわいい女の子の声をイメージして、「イー」テンション高めで声を出します。(男性もですよ!)
モンキーっぽい、甲高いキーキーという声でもOKです。
低めの音でも、喉仏を上げる感覚を持ちながら出せるように、練習してください。
【出しにくい方】
音色としてはキンキンした声ですが、体感は楽になるはずなので、苦しい場合は地声の筋肉が残ってしまっているためだと思います。
口を横に開き、舌を上に浮かせながら出してみてください。
喉仏を「ええ~?」と、ビックリして聞き返すと感じで言うと、喉仏が上がります。
Ⓓオペラ歌手のような太い裏声
【使う筋肉】
輪状咽頭筋、胸骨甲状筋
【声の出し方】
ストローを吸うように、舌を後ろにひっこめながら息を吸います。(舌骨を下げる)
舌を引っ込めて、こもった声を出しながら「オ」で裏声を出します。
音程が高くなる時に、舌骨が上がっていかないように、緩やかなカーブを描くように2つ目の音へ飛んでください。
【出しにくい方】
首が前に出ていると上手く舌骨が下がらないので、顎を引いて、首を長く伸ばしながらやってみてください。
上手く出せない声がある場合・・・
もしかしたら、みなさんはこれらの4つの中で、どうしてもうまく出せない声があるかもしれません。
「どうやって出すのかわからない」
「ちゃんとできてるのかわからない」
「喉が痛くなる」
など、トラブルもつきものです。
それは、あなたにとって弱い筋肉がまだ動かないために、上手く出せないのです。
首や肩にコリがないかどうかを確認し、硬いところがあれば、まずマッサージをしましょう。
筋肉を緩めるようにしていくと、出しやすくなっていきます。
裏声の練習は、力づくでやらないことと、出しにくいなら小さい声で練習するのが鉄則です!
そして、根気よく1日5分でいいので練習をし続けてください。
どうしてもよくわからない方や、一刻も早く声が変わりたい方は、ボイストレーナーの浅井のぞみのレッスンを直接受けてみてください。
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★★この記事の続きはこちらです。★★
☞【洋楽発声】ミックスボイスを出せるようになるには?②地声編
☞【洋楽発声】ミックスボイスを出せるようになるには?③ミックスボイス編