こんにちは、ボイストレーナーのNOZOMIです。
久しぶりに、洋楽ボイストレーニングのことについて書いていこうと思います。
最近もアメリカの黒人女性の先生とのオンラインレッスンも受けたりもしていますが、やはり改めて感じたのは、私たち日本人と骨格が違うということ。
体格が違うのはみなさんもご存知だと思いますが、声に最も関係するところで言うと、顎の形が全く違います。
ですから、「こんな風に出して」と言われた声を出すためには、日本人用にコンバート(変換)していく必要があります。
海外方の歌っている時の写真と、私がなんとなく口を開けた顔の写真と見比べてみてください。
黒人女性に比べると、私の方が下あごの方はだいぶ奥に引っ込んでいるのがわかりますよね?
それと、黒人女性の舌の位置が自然と高い位置にあるのが見えます。
私の方は舌が奥に向かって下がっています。
色々調べると私のように下あごが奥に入っているタイプの顔は、『アデノイド顔貌』という、日本人に多い顎のタイプみたいです。
それでも、声の出しやすいフォームを意識すると、下記の写真のように、見た目はちょっとマシになります。
上の黒人女性と比べると、下顎は自分にとっては、結構しゃくって前に出している感覚ですがこの方が出しやすいです。
舌は、奥を上げる意識でいます。
また、自分の感覚では少し後ろに引っ込めていますが、あごを前に出しているせいで、見た目は普通ですね。
口角もかなり頑張って上げているつもりでしたが、黒人女性に比べるとまだまだ足りないようですね・・・
実際、このくらいのフォームで歌った声の音色は、海外の先生から「GOOD!」と言われます。
私たち日本人が黒人の方々の声のような響きや音色に近づける場合には、「私たちの身体をどういうフォームにすると、海外の歌手のような声が出るのか」を考えていく必要があります。
黒人の方々の雰囲気だけ真似しても無理なのです。
また、同じ日本人であっても姿勢や顔つきはもちろん違いますので、一人ひとりの身体を見かないといけませんね。
海外の歌手のような、突き抜ける高音を出すには?
海外の歌手の方は、女性ではF5(真ん中のファの1オクターブ上)、男性ではC4(真ん中のドの1オクターブ上)までは出るのは当たりまえです。
ミックスボイス(地声と裏声の間)ではなく、ベルティングボイス(地声的な音色)で、です。
ベルティングで、頭に遠くに突き抜けるような高音は、軟口蓋という部分を上がっているために出ている音色になります。
では、軟口蓋が上がりやすい、上がりにくいというのはどこから来るのでしょうか?
口の中の上あご=硬口蓋のアーチは人によって深い、浅いがあるそうです。
(口蓋が山なりになっている人が深い人、上あごが平らに近い方が浅い人と言うそうです。)
当然アーチが深い人の方が軟口蓋を上げるのが大変になります。
(ちなみに私はアーチが特に深いタイプのようです。残念・・・)
また、アーチが深い人の方が舌が届きにくく、口呼吸になりやすいそうです。
口呼吸になると、さらに舌が下がって、軟口蓋も下がるという各循環が生まれます。
ですから、とにかく舌上げ!!
舌を上げる筋肉がちゃんとついている人は、食べ物を飲み込む際に「舌で食べ物を口蓋に押し当てて」飲み込むことができています。
これが正しい嚥下(えんげ)方法なのですが、みなさんはできていますか?
舌が下がったままごくんとしてしまっている方は、将来、誤嚥性肺炎を起こすリスクが高いそうです。
日本人の高齢者の死因ナンバーワンは肺炎ですので、いかに日本人が舌の筋肉が弱いかってことですね・・・。
歌が上手くなりたい、海外歌手のようになりたい方は、歌う時でなく普段の食事の時から、正しい嚥下を意識することをお勧めします!
英語の発音を滑らかに発音するには?
英語を発音するうえでも、舌の奥が下がってしまうと単語ごとにぶつぶつ切れやすくなります。
舌の奥は上げたまま、舌先だけを動かす意識で言うようにしていくと、滑らかにつながってしゃべりやすくなりますよ。
歯並びやかみ合わせが発声に影響する場合も
私自身の問題として、歯並びや噛み合わせの悪さが声にも影響していたことがわかりました。
歯並びや噛み合わせが悪い
↓
顎関節症になる
↓
舌が上がりづらい
↓
軟口蓋が上がりづらい
↓
高音がベルティングで出しづらい
という循環になっていたようです。
こんなに練習してるのにどうして高音が出るようにならないの!?という方は、歯や顎にも目を向けてみてください。
もしかしたら解決のヒントが見つかるかもしれないですよ!
もし、実際にレッスンを受けてみたいと思った方は、まずは体験レッスンにお越しください。